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心に残る名建築 Kentuck Knob(ケンタック・ノブ)

OFFICIAL 2018.9.18

アメリカ国定歴史建造物のひとつであるKentuck Knob:ケンタック・ノブ。

酪農業で財をなしたヘイガン家夫妻の為に設計されたこの家は、フランク・ロイド・ライト86歳の時に実現したユーソニアンハウス(1954)。

当時、ライトがこの仕事を請け負った際、非常に忙しいという事もあり、一度も現場に訪れることなく物件は完成。 それなのにヘイガン夫妻はこの住宅の完成度に大感激・・・そこで「一度もこちらの現場に訪れず、なぜこんな素晴らしい建物が出来上がるのか?」とフランク・ロイド・ライトに尋ねたころ「この作品が良いものになると知っていたからです。」と答えたとの事。

山の中腹部に平屋で計画されたこのユーソニアンハウスは、傾斜であるためにその視界を遮るものがなく、外の大自然と一帯となり、美しい景色を建物の内外で感じることができる。

室内は各部屋間はドアは無く流れるようにつながりつつ、プライベートな空間へは間口が極端に狭くなっている。まるでトンネルや鍾乳洞の中を歩いているような変化を感じるワンルームの中には、家族のシンボル=象徴と呼べる表情豊かな暖炉が用意されている。

また、建物内外に三角形、六角形のモチーフを施し、住まいに快適なリズム感を与えている。 (※三角形:ガレージ石で作られた柱、天井部分の照明、セパレート式ダイニングテーブルの端/六角形:軒下部分のトレリス、室内側のトップライト等)

素材に関しては木・土・石の自然素材で空間をつくり経年変化を楽しむ。いかにもライト建築と呼べる情緒的な素材感をセレクト。砂岩を使った建築という点で「Falling Water:落水荘」に似た部分もあるが、構造も同じように鉄骨造を用いて、鉄鋼の街と呼ばれたピッツバーグの特徴を地産地消で表現した名建築でもある。

現在のオーナーはイギリス在住の夫妻。アメリカ旅行中、たまたま落水荘を訪れた際、Kentuck Knob【当時のヘイガン邸】の存在とそれが売りに出されている事を知り、オーナーとなりました。

ジョン・レノンもゲストとして訪れたことがあるらしく、今でも室内にはジョンが滞在中に描いたイラストが飾ってあるとの事。 尚、この建物ツアーガイドの中には、ヘイガン夫妻のお孫さんもお見えになり、運がよければ当時の逸話が聞けるかもしれません!

ちなみに心に残るという部分は建物の美しさ・素晴らしさだけではありません。

実は、2014年秋・当社主催のツアーでこの物件に訪れるまでに様々なドラマが・・・ツアー初日に発生したシコガ空港管制塔の火災とその余波としてオヘア空港並びにミッドウェー空港の大混乱。

空港予約機能がすべて停止し、1950便が欠航。 急遽、広大なアメリカ大陸を寝台列車と高速バスによる陸路移動へ変更し、夜通し13時間かけシカゴ→ピッツバーグへ列車移動の長い旅。アメリカの列車事情は酷いと噂に聞いていましたが、まさかの6時間遅れでピッツバーグに到着。

ピッツバーグ中心地からバスに切り替え現地を目指すものの、大規模なマラソン大会が原因で大渋滞に巻き込まれる始末。

予約していたツアー時間に半日以上遅れたものの、私達の事情を聞きつけたFalling Water:落水荘とKentuck Knob:ケンタック・ノブの運営サイドが、格別の配慮でプライベートツアーを開催。

Kentuck Knob:ケンタック・ノブに関しては、通常室内写真の撮影禁止。私たちが物件視察の際、運営サイドが室内風景を撮影し、プレゼントしてくださいました写真を添付致します。

願えば叶う事、人の情の有り難みを感じたという意味で心に残る名建築のひとつです。

世代を超えて住み継がれる家 オーガニックハウスより